プラスチック製品、食器や容器は身体に安全なのか?
- 2019.02.02
- Food
ペットボトルの水を飲んでいて冷えているうちはいいのですが、常温に近づくと、どこかプラスチックの味がすると感じた事はないでしょうか?私は何度か経験があり、これは身体に安全なのだろうかと心配になる事が度々ありました。コンビニの弁当や食品にラップをして電子レンジで温めすぎると容器がやわらかくなったり、ラップが溶けてしまったりなど、プラスチックは燃やす有害であると信じている人は少なくないと思います。プラスチックは熱を加えても身体には影響なく安全だと言えるのでしょうか?
実はまだあまり長くないプラスチックの歴史。一気に増えたプラスチック製品。
軽く、腐らない、錆びないという利点、さらに作る側はコストが安く自由自在にデザインができるという事もあり私達の周りには本当にたくさんのプラスチック製品が使われています。特に子供のおもちゃやベビー用品でも壊れにくいプラスチックが多いですよね。
「燃やすと有害物質がでる」と考える人は多いと思います。実際私もその一人。
燃やした時に塩化水素(HCl)やダイオキシン(PCDDやPCDF)のような,分子に塩素原子が含まれる気体が発生するのは,ポリ塩化ビニルなど,プラスチック自体に塩素原子が含まれているという場合だけです。しかも,それが出るのは低温で燃やした時で,十分高い温度で燃やせばほとんど出ないということだったと思います。
・ プラスチック単体の完全燃焼では、ダイオキシンのような有害物質は発生しません。
・ ダイオキシン類は、炭素・酸素・水素・塩素が熱せられる過程で発生する可能性があります。
・ 廃棄物を焼却すると有害物質を含む排ガスを生じますが、人の健康に影響する量ではありません。
引用:http://www.pwmi.jp/plastics-recycle20091119/waste_plastics/waste_plastics5.html
高温焼却、完全燃焼では有害物質は発生しないようです。しかし蓄積されていったらどうなのかは少々疑問を感じます。また高温でなく低温で燃やせば有害物質は少なからず出るという事。そして何よりも自然に土に還ることはない化学物質に変わりはありません。
プラスチックにはいろいろと種類もあり、さらに耐熱性や利便性を上げるために添加される添加物もあり、一概にすべてが安全とは言えないと思います。そして壊れずらいので何度も使いますし、少々古くなっても使えなくなるまでは再利用し続けるものです。
『人の健康に影響する量ではない』=だから大丈夫の不可思議
毎日、しかも何年も使い続けても全く影響はないという事でしょうか?高温で焼却すればほとんど出ない、でも低温だとそれが出るとなると、では温めた時は安全なのでしょうか?
学校給食食器の変化
1960年代、学校給食の食器としてプラスチック食器が使われるようになりましたが、これに使われる食器もその安全性が懸念され変化しているという事は、少なからず身体への害があるという証明ではないでしょうか。
本渡市の学校給食食器はこれまでポリカーボネートでした。今年度買い替えの時期と言うことで検討がなされておりましたが、 9月の時点ではポリプロピレンの方向にありました。そこで私たちは勉強会を開き、さらに署名を集め(約5700名)、 10月にまず市長に要望書を、さらに12月に議会に請願書を提出し採択されました。
請願趣旨は“学校給食食器を安全でより自然なものに御願いします”というものです。議会での採択を受け、 3月には17小中学校の給食食器を強化磁器に切り替えるため1億470万円の予算が通りました。工事が8.9.10月に行われ、 10月から強化磁器の食器で給食を食べることが出来そうです。参照:学校給食ニュース
ポリカーボネートは、国による溶出試験規格が設定されているようですが、ポリカーボネート容器に使われるビスフェノールAという化学物質が溶け出して飲料や食品と混ざるため安全性が懸念されています。
そもそも国の安全基準が震災後の福島第一原発の事故から全く信用できなくなっているので、国の安全基準を満たしているではもう安全だと思えないのですよね。
『ただちに害はない』はすぐに害はないけれど、先の将来は分からないというなんともずるく逃げ道が用意された言葉の使い方です。
食器などでプラスチックが使われるようになったのは80年位前から
昔食器やキッチン用品は陶器、石、木、竹、鉄製品など自然のもので作られていました。今でも使われますが以前に比べるとプラスチック製品の使用率は上がっていると思います。
しかしプラスチックが作られるようになったのがここ100年、さらに食事や食品に使われ始めたのは80年程前から。それに比べ昔から使われてきた木や陶器、漆器などは1000年以上もの歴史があり、プラスチックの出現で使用者が減った為生産量が減ったように感じますが、安全性も去ることながら長く重宝されてきたものです。
私はよくキャンプに行くのですが、プラスチック食器を使うとそのまま使い捨てできるし、軽い荷物ですむのでつい使ってしまうのですが、やはり味気なく感じます。食事は陶器の器で食すのが一番おいしいと思うのは私だけでしょうか。
食事は『何で食べるか』器もとても大切です。
トマト缶は危険!? BPAフリーが叫ばれている
一番避けるべき食材はトマト缶!
これは知っている方も多いと思います。私もこれを知った数年前から、トマト缶を使う事をやめ、瓶入りのものかもしくは生のトマトを使うようになりました。(トマトはそのまま冷凍しておくと日持ちもし、皮も簡単にむけるので、煮込み系には使い勝手もいいです)
BPAとは
フランスでは食品に直接触れるものへのBPAの使用が禁止になっているほどです。
プラスチック製品、合成樹脂に含まれるビスフェノールA(bisphenol A)の略語でBPA。
BBPAは生殖機能に影響し、かつてエストロゲン(女性ホルモンの一種)の代わりになるのではないかとして研究されたこともある物質。前立腺癌、乳腺癌、思春期の低年齢化、生殖器官の異常にも影響すると言うデータもあります。
その他にも糖尿病、癌、子供の 学習障害、近年多発している子供のADHD(注意欠陥・多動性障害)にも関連があると言われ発育を遅らせる懸念から、2012年からアメリカでは哺乳瓶にBPAを使用することを禁止したそうです。
トマト缶がなぜ危険といわれるのかというと、缶内部のコーティングに含まれているのがBPAでそれがトマトの酸によって溶け出してしまうことがあるから危険だと言われています。なのでBPAが使用されているものは危険だという事になります。
(追記2019.2.1)
米食品医薬品局(FDA)は今年2月、ビスフェノールA(BPA)は、認可されている範囲内での使用であれば安全であるとする声明を発表した。しかし、この発表は“フライング”だったとして米国内分泌学会(ENDO)の専門家らが批判の声をあげている。
https://www.carenet.com/news/general/hdn/46985
米ノースカロライナ州立大学生物学教授のHeather Patisaul氏はBPAに対して不安を抱いている消費者に「食品の保存にはプラスチック製品ではなくガラス製の容器を使用する」「感熱紙のレシートを使用しない」「プラスチック製の容器に入った電子レンジで加熱する食品を避ける」以外に、缶詰の食品を避けることも勧めている。特にトマトのような酸性度が高い食品は、缶詰の内側のコーティングに反応しやすいため注意が必要だとしている。
『認可されている範囲内』であれば。
あとはあなたのチョイス次第です。
気をつける物質は2つ。PVC & BPA
まずはフタル酸類。この化合物はPVC(ポリ塩化ビニル)容器の柔軟性を高めている。熱すると溶け出してくる可能性がある。ハルデン博士は食べ物とともに 体内に摂取されるとホルモンバランスを崩したり、障害児が生まれる可能性があると指摘する。ただどの程度の量で問題が起こるのかは分かっていない。先進国 では血液にこれが混じっていない人はほとんどいないという。
次はビスフェノールA(BPA)だ。これはフタル酸よりも悪影響を起こす可能性がある。かつてエストロゲン(女性ホルモンの一種)の代わりになるのではな いかとして研究されたこともある。透明で丈夫なポリカーボネートの大量生産に役立つと言われている。金属のカンの内側の被膜やレシートの紙にも使われてい る。
気をつけるべきはPVC(ポリ塩化ビニル)、BPA(ビスフェノールA)!
プラスチックにもいろいろ種類があり、添加されている成分も異なります。
熱により溶け出す化学物質の量は種類によって異なるそうですが、やはりすぐに健康への影響はないという声が多い事も確かです。しかし上記の2つに関しては少々注意が必要であるように思います。
昔は分からなかったが今になって危険性が見えてきて使用をやめたり、改良が進んだ石油由来製品は少なくありません。
プラスティック容器、材質の種類
1、ポリエチレンテフレート(PET、PETE)
水のペットボトルや主に食品系に使われる薄く透明のもの。1度の使用では(再利用しない)問題ないとされています。しかし複数回数再利用は控えた方がよさそうです。
2、高濃度ポリエチレン(HDPE)
ジュースや牛乳、ごみ袋やヨーグルトの容器などに使われる事がおおい、比較的厚めのもの。掃除用品や洗剤系のボトルに使われる事も多い。特に問題はないとされています。
3、塩化ビニル樹脂(PVC、V) NG!
これは多様的できる物質なので多くの物に使われています。子供のおもちゃやバック、プラスチックカップ、食品を包むラップやラップフィルム、スナック菓子の袋など。体内に取り込まれやすく、喘息や肺に影響を与える恐れもあると言われています。作る工程や燃やしたりするとダイオキシンも放出すると言われますので、使用を避けたいプラスチックの一つです。
4、低密度ポリエチレン(LDPE)
牛乳パック、パン袋や冷凍食品などに使われる事が多いもので、柔らかく多様性があり、特に問題もないと言われますが、1や2に比べるとリサイクル性に欠けるようです。
5、ポリプロピレン(PP)
ヨーグルト、マーガリン、ストローやプラスチックコンテナーなどに使われ、耐熱性もあるとされ、電子レンジに入れても大丈夫なもの。特に問題はないとされています。
6、ポリスチレン(PS) NG!
発泡スチロールやボトルキャップ、テイクアウト容器やスーパーの食品トレイ、おもちゃなどに使われる事が多く、がん、神経障害などを引き起こす事が懸念されています。熱に弱いため、テイクアウトやコーヒーのフォームカップなどは注意が必要です。使用を避けたいものの一つ。
7、その他 NG!
BPA,ポリカーボネイト、アクリルなどが含まれ、1~7の中で一番危険とされるもの。
プラスティック食器、哺乳瓶やプラスチック加工された金属缶、耐熱容器などに使われている事もあるので注意が必要です。
(追記)
以前はウォーターボトルにポリカーボネートが使用されていましてが、BPAが液中に溶け出す危険性があることが判明し、げんざいはBPAを含まないトライタン(コプラスティック)が使われているようです。
1のPETE、PETはペットボトルの飲み物でもよく見かける表示です。
2~7は表示義務はなく、あくまでも任意だそうで、これらの表示はあくまでも資源有効利用促進法により廃棄物分別の効率化のために表示されるものです。
しかしこれらの表示は容器にどんな素材が使われているかの目安にもなるので覚えておくといいですよね。
簡単な目安としては1(PETE,PET)と書いてあるものや、2、4、5だと比較的大丈夫。7の分類でもトライタンは比較的安全。その他はできるだけ使用は避けたいかなという感じです。
キッチン用品や食器や食品容器、特に赤ちゃんや子供には気をつけたい
投げつけても、落としても壊れないため、プラスチックは子供用品に多く使われるますが、先日ストローを使って飲み物を飲ませている時に、飲み口をガシガシ噛んでいたのを見て(大人でも噛む人っていますよね)プラスチックって噛んで大丈夫なのかな?と思ったのです。
さらに赤ちゃんのうちはおもちゃを口に入れる事がとても多いですよね。
身体の中に入ってしまった(食べてしまった)場合、どうなのでしょう。大丈夫だといわれてもやはりいいとは思えませんよね。
確かにとても利便性に優れ、手放せないプラスチック製品ですが、表示マークから素材を知り害のないものを、そしてやはり口から入る食事に関してはできるだけ安全でより自然なものを使う事をこころがけたいなと思います。
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