除菌大国日本。そんなに菌が怖い?それより私は合成洗剤や除菌剤、カビ取り剤を使う方がよっぽど怖い
- 2019.06.19
- Life/Mindfulness
- 化学合成物質
先日ペットボトルの水を一口飲んで蓋をしめた途端母親に「ペットボトル飲料を飲み始めたら飲みきるのがいいんだって」と言われ、どうしてか聞くと、「テレビでやってたんだけど、一度口をつけたところから菌が繁殖するんだって」とのこと。ここまでくるともう笑えてくる。なんだこの除菌ブームは?
抵抗力が低いから除菌する?いや、除菌するから抵抗力がなくなるのです。
元々キレイ好きな日本人に、さらにテレビCMが追い打ちをかけるのでしょう、少々気になる日本の『異常なまでの除菌ブーム』
免疫が少ない小さな子供を心配するママの気持ちは分かります。我が子が苦しむのは可哀そう。だから除菌して病気から守りたい、苦しい思いをさせたくない。とてもよく分かります。
でもだから除菌するというのは根本的な対策でしょうか?
除菌だけの話ではなく、スキンケアにしてもエコにしても、価値観やライフスタイルにしても何にしても最近強く感じる事は『木を見て森を見ず』な傾向。
強い身体をつくる、免疫を強くするにはどうするのか?どうしてワクチン接種をするのでしょう(ここはそれぞれ意見があると思いますが)どうしたら免疫ができるのか?
我が子を守りたいのならば、知見を広めましょう。与えられるだけの物、事に少しでいいから疑問を抱きましょう。本当の『免疫をつける』とはどういう事なのか。私達の体の9割は細菌だという。もちろん生命を脅かす細菌もいますが、生命を維持する為に必要な細菌まで除菌してしまえばどうなるか。
除菌が本当に私達の身体を、子供達の身体を守る事になるのか、本当に丈夫な身体とはどういう事なのかが見えてくると思います。
人間の体は何よりも勝るすごい機能を持っていて、生命力も強いという事を、まずは信じましょう。
免疫とは
免疫とは「疫(えき)から免れる(まぬがれる)」、すなわち「伝染病」などからのがれるということを意味する言葉です。 たとえば、一度「はしか」などの伝染病にかかったほとんどの人はその伝染病にかからなくなります。 これを「免疫ができた」と言います。 この免疫システムは、体内に侵入した細菌やウイルスなどを異物(自分以外のもの)として攻撃することで、自分の身体を正常に保つという大切な働きをします。
「自分と違う異物」を攻撃し、排除しようとする人間の体の防御システム。動物にもこのシステムがあります。たとえばウイルスや細菌など病気の原因になる微生物(=病原体)が体内に侵入したときも、体は「自分とは違うものが入り込んだ」と判断し、排除しようとします。特定のもの(たとえば、はしかのウイルス)など対しては、細胞が「これははしかのウイルス」と覚えます。2度目にはしかウイルスが入ってきたときは、記憶していた細胞が「はしかウイルスだけに反応する対抗物質(抗体:こうたい)」をたくさん作り、撃退します。一度かかれば2度はかからない病気があるのは、このためです。予防接種もこの免疫システムを利用したもの。病気の原因となるウイルスの毒性を弱めたり活動しないように処理して(=ワクチンのこと)体内に入れ、抗体をつくります。
免疫とは身体が外からの異物(菌やウイルスなど)を排除する防御システム
初めて菌が体に入ると身体はその菌への抗体を作ります。そのため2度目にその菌が入ってきた時にはすでにその菌に対しての抗体ができているのでその病気にはかからなかったり、ひどくならずに済むのです。
身体に抗体(免疫)がない、もしくは免疫が低下していて防御力が下がっている時などは、発熱や嘔吐、下痢などの様々な症状が出ますがこれは身体が異物を攻撃し排除している為に起きる体の作用です。
例えば、風邪をひいた時に熱がでますよね。これは38.5度以上の熱で菌やウイルスが死滅する為で、身体は熱を出して異物である菌を排除しようとします。ここで解熱剤を摂り、熱を下げるのはどうでしょう?
下痢や嘔吐にしても身体からいち早く菌や異物を排泄する為、またくしゃみや鼻水が出るのも身体に菌を入れないようにする為です。
病気になったらまず身体を休める事が一番です。しかし体が休めない程ひどい症状が出ている時は薬の力を借りるのも1つの手で、薬はあくまでも補助的な役割。この世に病気を治す薬などありません。治すのは自分の治癒力と免疫力です。
これらの症状が小さな子供に出る事を恐れるため、ママ達は除菌をしてなんとか病気に罹らないようにと心がけるのでしょう。
ワクチンを打っていても安心できない、また菌やウイルスの新種にかかる事もありうる、抗体の期間が短いものもあるのかもしれませんが、果たして除菌が根本的な対処になるのでしょうか?
タイの子供は「どえらい免疫力だろうな」と思わずにいられなかった出来事
タイといえば、水道水は飲めないという事は周知ですよね。そんなタイでおどろく光景を目にしました。
タイのチャンマイ。旧市街地はその周りが大きなお堀で囲まれています。そのお堀の水はお世辞でも綺麗とは言えません。正直なところ下水も流れこんでいそうな感じで、近くを歩いていると少々臭い、ネズミも繁殖している。
そんな衛生上よろしくないと思われるお堀で、暑い日に子供達が泳いでいるのです!
驚きながら眺めていると一緒にいたタイ人が、「あなたが泳いだら明日熱だすと思うよ」と言った。私もそう思う、その前に泳がないが。
子供達はいつも泳いでいるから平気なのだそうです・・・おそるべし免疫の力。私達の身体は思っている以上に賢く、強い。それは日常の習慣でついていくものなのでしょう。
だからと言って明日からドブ川で子供を泳がせろという訳ではありません。しかし昔の日本人も川で泳いだり、泥にまみれて田植えをしたり、自然に触れる時間が多かったはずで、今のような除菌の概念がさほどなかったけれど、現代人より健康的であったように思います。平均寿命は延びたけれどただ長く生きる事がいい事なのでしょうか。平均寿命と健康寿命の差が気になるところであります。
私達の身体は菌だらけ!常在菌によって守られている
『常在菌』という言葉よく聞きませんか?私達の身体には100兆を超える菌が存在していると言います。
実はどこもかしこも菌だらけなのです。
私達の免疫を支える腸内細菌、腸には数百種類もの菌が棲みつき、互いにバランスをとることで病原菌に負けない強いからだをつくる。
皮膚の上にも常在菌がいるため、外部からの外敵を防御でき、さらに肌の状態を健康に保っています。
(強い洗浄力の洗顔やボディーソープなどは控えましょうと言っているのも、このためです。必要な菌までも洗い流してしまうから。)
私達の身体は菌によって守られ、バランスがとられています。
そして腸内細菌は外界の菌と触れ合うことで活性化するため、身の回りの菌を排除した状態ではどんどん貧弱になってしまうのだそうです。
除菌するアイテムは都合よく、危害を加えるだろう菌のみを殺すと思いますか?
昔は今ほど除菌グッズがなかったと思います。そして現代よりは医療も発達していなかった。
医療が昔よりも発達した今、昔よりも除菌を心がける矛盾。
良かれと思い励む除菌、抗菌でむしろ身体を弱くしているという皮肉。
除菌はダメだ!と言っているわけではないのです、ただ過度すぎないかと思うだけです。
テーブルを拭くのに除菌スプレー?消臭や除菌と言ってシュッシュと家中に頻繁にふりまくるその成分は一体何が使われているのか?
風邪などの予防などは分かりますが、必要以上に菌を嫌っていませんか?と思うのです。私達の身体の健康に菌は不可欠ならばうまく共存していく道を考えましょう。
除菌、抗菌スプレーや薬用石鹸などの洗浄剤、カビ取り剤などの成分が与える影響
薬用石鹸
殺菌力が強いと使っている方が多いかと思います。
主成分として使われるトリクロカルバン・トリクロサン が一定量含まれていると「殺菌」「抗菌」を謳い医薬部外品として販売することができます。これらの成分はよく医療的に使われる強い殺菌防腐剤だそうです。
石鹸成分としての配合量は少ないと思われますが、それでも頻繁に使い続けるのはどうでしょう。毎日手を洗うときに使いますよね?
トリクロカルバンとトリクロさんの成分については海外の環境保護団体などもその安全性に懸念をし警鐘を鳴らしています。必要な常在菌までも洗い流してしまうという事とそれが洗い流された後の環境へ影響も懸念されています。
これは石鹸成分のみならず、洗剤に使われる石油由来合成界面活性剤も人体と環境に与える影響があると思います。
除菌、消臭スプレー
医薬品や化粧品と違い、成分の表示義務はないのだそうです。
そもそもこの存在自体が私には不可解でしかたないのですが・・・
↑広く使われていると思いますファブリーズ。成分は一体何が使われているのかさっぱり分からない。
スプレーはその細かい噴射で口や目、鼻から吸引してしまう恐れがあります。多くでその安全性を懸念する声があります。
漂白やカビ取り剤
『まぜるな危険』と書かれていますし、安全性などは元から謳っていませんよね。確かにカビやぬめりが簡単に落とせるから常備している方は多いと思います。
これを使うとカビが死ぬ前に私が死ぬ!と思うほど鼻から目から喉からもう無理!となるキツイ臭いですよね。
次亜塩素酸ナトリウム、塩素系成分が人体に影響がないと思いますか?触らなければ大丈夫?でも私達は口や目、鼻からもその成分を取り込むのではないでしょうか。
さらに洗い流した化学成分が自然に与える影響、めぐりめぐって自分達に戻ってくるであろう自然の摂理。
それらを使う事の利便、価値観は人それぞれです。
危険だから使うな!と私の意見をおしつけたい訳ではありません。あくまでも何を選ぶかは個々の自由、使うも使わないも個々の自由。どんな頻度でどんな利用の仕方をするのかも自由。
自分の自由な選択で、情報を得て、物を選び、価値を得る。ただそれだけの事です。
自然な殺菌、除菌方法
清潔に保つ事は確かに大事で、キレイ好きであるという事は悪い事ではなくむしろいい事だと思います。
細菌や真菌は確かに脅威となる事もあります。
しかし盲目的な過度な除菌とそれに使う商品への考察が少々必要かと思います。
冬の乾燥した時期の対策
その時期や身体の状態によっても必要な時があると思います。個人的には自然な除菌、殺菌を必要に応じて使用します。
ティーツリーなどの精油
オーストラリアでは一家に1つの精油。スーパーなどでも手に入ります。先住民族のアボリジニが長く民間薬として使っていた事でも知られます。
殺菌、抗菌効果に優れ、精油の中でもラベンダーとティーツリーは皮膚への直接塗布が出来ます。(個人差があり刺激を感じる場合もあります)
特にニキビの時にその患部につけると効果があるとされます。
私はこれを掃除でカビ予防としても使ったりします。洗濯のすすぎの時に入れたり、スプレーを使っておいて冬の乾燥の時期は風邪予防に、また掃除の後の空気の浄化に使ったり。その際はユーカリの精油を混ぜて使う事も。
ティーツリーとユーカリはノロウイルスにも効果があると言われます。またラベンダーも傷ややけどなどの時には重宝しますので、ラベンダーとティーツリーはいつも欠かさず持っています。
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マヌカハニーや良質なはちみつ
日本ではニュージーランドもマヌカハニー がよく知られているようですが、マヌカハニーはティーツリーから摂れるハチミツでその殺菌効果は有名です。とくにUMFという数値で表される殺菌作用の規格。このUMF値の高さによって使い方も変わります。UMF値の高い物は食用より傷の治療的に使う方が個人的にはいいかなと。オーストラリアはドクターがマヌカハニー を傷に使うよう勧めたりもします。
マヌカだけでなく、良質なハチミツには殺菌作用だけでなく健康によい事はよく知られます。それには健康な蜂がつくる汚染されていない植物から取れるハチミツがやはりいいのです。オーストラリアは農業国なので蜂に細心の注意を払っています。他国からハチミツの持ち込みが禁止という程、蜂の健康維持に注意を払っているので、種類も豊富で本当においしいハチミツが多いです。もちろん水あめや添加物など一切入っていない100%。これが意外と日本では見つかりずらいです。現地では日本と比べてとてもクオリティーのいいはちみつがお手頃価格で手に入ります。スーパーなどで普通に手に入るので、旅行などに行った際にはぜひ入手されることをおススメします。
日本だと少しお高くなりますが、おすすめのオーストラリア産のはちみつレザーウッドハニー。
芳醇な花の香りがするようなとてもおいしいはちみつです。紅茶に入れると本当においしい。レザーウッドもとても殺菌、抗菌に優れたはちみつです。そしてなんといってもおいしい!マヌカはその効果はすばらしいですがあまりおいしいとは言えません。日常的に使ってしまうのはやはり美味しいはちみつに軍配が上がってしまいます。
過度な除菌ではなく適度な、そしてできるだけ身体と自然への影響がない物と方法を選んでいくのも1つの手ではないでしょうか。
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